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第13章 ワット ポー

ット・プラケオ(エメラルド仏寺院)、ワット・アルン(暁の寺)、そしてこのワット・ポー(涅槃寺)は、タイの3大寺院と呼ばれています。タイの王室仏教寺院は、その格付けが第1級から第3級まであり、級ごとにさらに細かい称号がつくため、最終的には10段階に分類されます。最高の格式を持つのが、「第1級ラーチャウォーラマハーウィハーン」で、ワット・アルンやワット・ポーはこれに属します。ワット・プラケオは王室専用寺院なのでこの格付けには含まれず、いわば「別格」扱い。


Phra Buddha Saiyas/Wat Phra Chetuphon Vimolmangklararm Rajwaramahaviharn, Bangkok

王宮の正門を出ると、地元のおっちゃんがやって来て、「ワタシ日本人大好きネ~」と話しかけてきました。「このような人について行ってはいけません」という看板がすぐ近くに立っていますが、その見本になるようなうさんくささです。でも面倒なのでこのおっちゃんにトゥクトゥクを呼んでもらい、50Bでワット・ポーに行くことにしました。王宮とワット・ポーは隣同士で、乗物で行くほど遠くないのですが、あまりの暑さに歩く気が失せてしまったのです。トゥクトゥクが発進すると、座席がオープンなので、ニョーボ河野はあっという間に帽子を飛ばされてしまいました。あわててトゥクトゥクを停め、後続のバイクに帽子を拾ってもらって、何とかワット・ポーに到着しました。


◇ 釈迦仏堂 ◇

ワット・ポーはアユタヤ王朝末期に建立されたバンコク最古の仏教寺院で、中国文化とタイ文化の混合様式の建築物として知られています。80,000㎡の敷地内にはラーマ1世からラーマ4世までの王を象徴する、4基の大きな仏塔をはじめ、大小さまざまな71基の仏塔が建てられています。入場料は100Bで、王宮の5分の1でした。チケットには水の引換券がついていて、ペットボトルに入った水をくれる場所があります。冷たい水をうぐうぐと一気飲みし、脱いだ靴を袋に入れてチケット売り場すぐ近くの釈迦仏堂に入ります。

中庭で入口を守護する中国様式の像 ラーマ4世の仏塔

有名な大寝釈迦仏(涅槃仏)は、1832年にラーマ3世の命で造られました。涅槃仏とは、釈迦が入滅する様子を仏像にしたもの。まず顔側から入って足へ向かい、一周して背中側に回ります。写真撮影はOKですが、柱が何本も立っているのでかなり撮りにくいです。そういえば以前、島原の江東寺で寝転がって一緒に記念撮影をした涅槃仏は全長が9mでしたが、こちらは実に全長46m×高さ15m。奈良の大仏さま(東大寺盧舎那仏坐像)の高さが15mというから、けた外れの大きさです。


涅槃仏は「北枕」の由来とされるように頭は北向きで、顔は西を向いています。足の裏にはバラモン教の宇宙観を示す文様が108点、螺鈿細工で描かれています。108といえば煩悩の数。ここではサタン硬貨(バーツの補助通貨)108枚分を20Bで売っており、これを廊下に並べられた108個の壷に入れることで、煩悩を取り除けるそうです。しかし煩悩を取り除いている間に暑さで入滅してしまいそうなので、早々に釈迦仏堂を後にします。

 〔 公式サイト(英語・タイ語) 〕(注:音が出ます。新しいタブが開きます。)

背中側 枕と後ろ頭

◇ タイ式マッサージ ◇

さて、ワット・ポーの敷地内には、タイ古式マッサージの総本山である、「ワット・ポー・タイ・トラディショナル・メディカル&マッサージ・スクール」があります。世界中の人々がマッサージを学びに来る学校で、本堂を出たところにマッサージセンターがあり、ここの生徒さんによるマッサージ体験が出来ます。二人とも疲れきっていたので、ニョーボ河野はタイ・マッサージ(260B)、ダンナ河野はフット・マッサージ(280B)の、30分コースを申し込みました。受付を済ませ、順番が来ると隣の建物に案内されます。冷房の効いた部屋で椅子に座り、前に置かれた台に両足を乗せます。


フット・マッサージを担当してくれたのは、女子高生のような感じの若くてスリムな女の子。彼女はダンナ河野の正面に置かれたもう一つの台に、オードリーの春日俊彰のようにどっかと開脚座りをし、おしぼりのような物で足をきれいに拭いてくれます。次にクリームを全体に塗り、足の裏のツボを押したり、ふくらはぎや足の指などをもみほぐしていきます。激痛を伴う足ツボマッサージだったらどうしよう、という不安は直ちに解消され、疲れのたまった足から、乳酸が音を立てて流れ出していくような心地です。


あっという間の30分が過ぎて、マッサージセンターを出ました。だいぶ体が軽くなりましたが、かなり時間も押してきました。次に行く予定だったワット・アルンは、ボートで対岸に渡らなければならず、見終えた後は再びこちらに戻って来なければなりません。そこで時間的にワット・アルンは断念、ディナー・クルーズの際に川から眺めることにして、次なる目的地、タイのシルク王「ジム・トンプソンの家」に向かいます。



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