特別企画! THE WAY TO DUBAI
ドバイへの道~現地渡航編
最終章 Ma’asalâma ~さらばドバイ ドバイともいよいよ今日でお別れです。ジュメイラビーチのリゾートに始まって、ルブ・アル・ハリ砂漠のデザート・サファリで幕を閉じた今回の旅。大自然のパノラマと巨大建造物のスケールの大きさに圧倒され、アラビアの歴史と未来都市との見事なコントラストに感動するという、貴重な体験をすることができました。ドバイとの出会いは2006年2月の旅行会社向けセミナーでしたが、あれからわずか5か月で実際にドバイの地を踏むことができました。今回のドバイ渡航を実現させてくれたエミレーツ航空様、ジュメイラ様、そしてドバイ政府観光・商務局様に心から厚く御礼申し上げます。帰国から早くも一年、「ドバイへの道」もようやく今回で最終回を迎えます。長い間ご愛読ありがとうございました。 |
◇ チェックアウト ◇ また砂漠を延々と走って帰るのかなあ・・・という我々の心配をよそに、車はキャンプサイトからしばらく走るとすぐに舗装された道路に出ました。みな疲れているせいか、行きとは対照的に口数も少なめです。車はそれぞれの宿泊客の泊まるホテルに寄って人を降ろし、我々も最後にシェラトン・ドバイ・クリークで車を降りました。運転手さんと握手をして別れ、部屋に戻ってシャワーを浴びます。飛行機の出る時間までにはまだ少し間があるので、ウェイクアップコールを頼み、そのままベッドに倒れこみました。電話がけたたましく鳴って起こされた時にはすでに1時間が経過しており、大急ぎで荷造りを済ませます。本来ならこういうところでは身ひとつで降りていって、荷物は係の人に後からゆうゆうと運んでもらうのですが、今回は急ぐので自分たちで荷物を持ってチェックアウトしに行きました。ここでは、タダだと思って全部飲んでしまった冷蔵庫のエビアン(ミネラルウォーター)2本分、計Dhs.36(36ディルハム)を請求されました。最終日にあまり小銭が余っても仕方がないと思ったので、Dhs.56払ってちょうどDhs.20のお釣りをもらおうとしましたが、海外ではこのような高等数学が通用したためしはありません。受付のお姉さんは、Dhs.36なのに何よ?・・・・と最後までブツブツ言っていました。 |
◇ わらしべ長者への道 ◇ タクシーに乗って空港へ着くと、とっとと荷物を預けてDubai Duty Freeという免税店へ行きました。ここでの目玉はなんと言ってもミレニアム・ミリオネア(Millennium Millionaire)という100万ドル(1億2千万円近く)の当たる宝くじです。注目すべきは、このくじが1回につきわずか5千枚しか発行されないとういうことで、つまり当選確率は5千分の1。これは1千万分の1といわれる日本の宝くじとは、比べ物にならない高確率です。もっとも1枚分の購入価格もDhs.1,000(3万2千円くらい)とかなりお高いので、そこまでべらぼうな差はないかもしれません。もちろん、一人で何枚でも買うことが出来ます。ミレニアムという名前のとおり、このくじが初めて発売されたのは2000年の1月でした。当初は1回限りで終了する予定でしたが、その後も引き続き行われ、当選者はすでに70人を超えています。懸賞で当たった旅行でドバイに来て、なおかつ宝くじで100万ドル当たりでもしたら、これはまさしく「わらしべ長者」の世界。のどから手が出るほど買いたいくじでしたが、資金不足でやむなく断念しました。しかしあきらめの悪いダンナ河野はいつまでも売り場を立ち去ろうとせず、次なるターゲットに狙いを定めています。 |
BMW 750Li | ランボルギーニ・ガヤルド |
◇ BMW vs ランボルギーニ ◇ やって来たのはファイネスト・サプライズ(Finest Surprise)という、ミレニアム・ミリオネアより10年以上前から行われているもの。高級車やバイク(ハーレー・ダビッドソン)が当たるくじで、一枚Dhs.500(1万6千円くらい)だからミリオネアの半額です。ちなみに当選した車は、自分の住んでいる国まで輸送してくれるそうです。とにかくこの高級車というのが半端じゃありません。一例を挙げると、マセラッティ・スパイダー、メルセデス・ベンツS500、ポルシェ911カレラ・クーペ、アウディA8、ランボルギーニ・ムルシエラゴ、フェラーリ456GTA、フェラーリ360モデナ、フェラーリ575マラネロF1、ジャガーXK8コンバーチブル、 アストン・マーチンDB7ヴィンテージ・クーペ・・・等々、まさにそうそうたる面々。スーパーカー世代、「サーキットの狼」世代であるダンナ河野が飛びつかないはずはありません。 |
欲しいなあ~ | 目が離せません! |
今回ここで行われていたのは千人にひとりBMW 750Li の当たるくじと、2千人にひとりランボルギーニ・ガヤルドの当たるくじでした。ランボルギーニといえば、カウンタックやディアブロの流れを引き継ぐV12気筒、ガルウィングの旗艦ムルシエラゴが有名です。これに対し量産型のガヤルドは一見おとなしい印象ですが、出力500PS、最高速度309km/hを叩き出すモンスターマシン。ヴェルデ・アルテミスといわれる美しいグリーン・メタリックのボディはホレボレするほどカッコ良く、しかし当選確率はBMWの半分です。心の中の正しい神は「堅実にBMWにしときなさい、維持することを考えたらそれが賢明ですよ」と当たったときの心配までしてくれるし、正しくない神は「それでも男か?ここまで来たらランボルギーニだろ・・」とささやきます。結局、ふだんは圧倒的に劣勢な正しい神が、奇跡的に僅差で勝利をつかみ、BMWのくじを買うことになりました。受付でくじを購入したら氏名、パスポート№、国籍、住所、電話番号、Eメールアドレス、フライト№、日付等を記入し、隣に置いてある透明な箱に入れるのです。これが千枚集まると抽選が行われ、当選者が決まるというしくみです(後記)。 その後、免税店でおみやげと洋酒を買い、エミレーツ・ビジネスクラス・ラウンジへ行きました。何しろ今回我々が旅行会社向けセミナーで当たった懸賞旅行は、行きも帰りもビジネスクラス。こういうラウンジでは普通、少人数でVIP気分を味わいながらお酒飲み放題なのですが、やはりここはドバイです。あふれんばかりの人でなかなか座る場所も見つかりません、おまけに時間もあまりなくなってきたので、急いでビールだけ飲み、今回はバスで飛行機まで案内されました。 |
◇ エアバスA340-500 ◇ 帰国便は行きのボーイング777と違ってエアバスA340-500型です(※)。ビジネスクラスの客席はさすがに広く、座席が2(窓側)-2(通路側)-2(窓側)と並んでおり、横幅も奥行きも大きく空間を取った造りになっていました。シートの後ろ側は半円形のカプセル状のもので覆われているので、リクライニングしても後ろの人が狭くなったりしません。また、そのカプセル状の部分には、15インチのモニター画面が埋め込まれていて、映像もクリアです。全身マッサージ機能もさらに充実しており、手元のディスプレイで細かい設定ができるので、疲れた体には大変ありがたいです。さっそく行きと同様にウェルカム・シャンペンを注ぎに来たので、「お疲れさま」の乾杯をしました。機はするすると夜の滑走路を滑り出し、ドバイ空港を後にします。マ・アッサラーマ(Ma’asalâma:さようなら)ドバイ、楽しい時間をありがとう。今度来るときはアル・マハ(砂漠のサンクチュアリ・リゾート)やハイドロポリス(海中ホテル)に泊まって、大物釣りやスキューバダイビング、クレー射撃なんかをしよう。 (※注):これは渡航時点での話で、現在は成田・関空便ボーイング 777-300ER および羽田便 777-200LR に変更されています。 |
離陸して少し落ち着くと、ice(情報・通信・エンターテイメントシステム)の画面で、お馴染みの映画「プリティ・ウーマン」を見ました。ハリウッドを舞台に、ストリートガールが実業家と結ばれるというシンデレラストーリーです。この映画を見ていて気づいたのですが、登場する高級ホテルやブティックの従業員が、あからさまに金持ちしか相手にしないようなヤな連中なのです。我々もドバイではこのヒロインと同様、分不相応な高級リゾート地に滞在していましたが、一度もこのような不快な思いをすることがありませんでした。急速な発展を続けるドバイですが、こうしたアラビアン・ホスピタリティー(旅行者や客を親切にもてなすこと)を、いつまでも持ち続けて欲しいものです。 機内はやがて暗くなり、天井にはプラネタリウムのように星が出はじめました。これは現地時間に合わせて段階的に照明を変化させることによって、時差ボケを軽減させるというシステム。もっと天井一面が満点の星だと良いのですが、両サイドに大きな荷物室の扉があるので、真ん中の部分だけ天の川のように星が出ています。そういえばそろそろ眠くなってきました。夜中に軽食で寿司が出るということでしたが、眠っていて気がつかないかもしれません。実はこんな時は、アイマスクの袋に一緒に入っているメッセージシールを座席の肩の部分に貼っておけば、食事を持ってきた客室乗務員が起こしてくれるのです。まあそこまでしなくても目が覚めるだろうと思って目を閉じましたが、あまりにも快適な寝心地のせいか・・・次に気がついた時にはもう朝になっていました。 |
気がついたら朝でした | オレは泳げねえんだよ | 次はオーストラリアだぜ! |
和風サカナ煮付け定食みたいな朝食を食べながら、ぼんやりと外の景色を眺めます。ドバイははるかかなたに遠ざかり、すでに日本の近海まで近づいています。iceの画面で、久しぶりに大好きな映画「明日に向かって撃て!」を見ました。物語終盤、ボリビアに流れてきた主人公のブッチとサンダンスが次第に官憲に追い詰められていきます。「今度はオーストラリアに行こうぜ」と夢を語り、壮絶に散って行くラストシーンは忘れられません。そうだ、我々も今度はどこへ行こう?ケニアなんかどうだろうか、「ドバイへの道」の次の旅行記の題名は「中年ケニヤ」に決まりかな・・・。などととりとめもないことを考えているうち、出発したときと同じような「ナントカカントカ、シュクラン(ありがとうございました)」という機長のアラビア語アナウンスがあり、まもなく我々を乗せた機は無事、関西国際空港へと到着したのでした。 |
日本に到着 | ただいまなのだ |
おわり 後記:後日、今回応募した BMW 750Li のくじの当選発表の手紙が届きました。今回は残念ながら、地元UAEの方が当選したそうです。う~む、やっぱりランボルギーニにすべきだったんじゃないのか!? |
ドバイへの道!
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