☆ ハイパー絶景ツアー in シンガポール ☆
SINGAPORE, OUR CITY IN A GARDEN

第7章 ナンバーワン餃子と高反発枕

◇ シンガポールのアートと気候 ◇

到着初日から圧倒されてしまった、現代アートの国シンガポール(今勝手につけた)。ここにはシンガポール美術館をはじめ、マリーナベイサンズ横のアートサイエンスミュージアム
、2015年にオープンしたばかりのナショナルギャラリーシンガポールなど、魅力的なスポットが目白押しです。街を走っていると、街灯には各種イベントやミュージカルの看板がたくさんぶら下がっています。


さて、現在雨季のシンガポールは、昨日から雨が断続的に降っています。スマホで現地の天気が出るかどうか試してみたら、ちゃんと出ました。気温28度で「時々雨」という変な表記です。ところでシンガポールのような東南アジアの国では、乾季(3月~10月)には「ヘイズ」という煙霧が発生して、視界が真っ白に覆われることがあります。これはインドネシアなどの野焼きや森林火災が原因の越境汚染で、PM2.5などの有害物質が含まれていることから、健康被害が問題になっています。ふつう観光シーズンといえば乾季ですが、ヘイズや気温のことなども考えると、雨季(11月~2月)も悪くないかもしれませんね。
  

◇ 1位じゃダメなんでしょうか? ◇

昼食会場に到着しました、今年東京の銀座にも出店したという小籠包の名店「京華小吃(ジンホア)」です。店の入口には、「シンガポールで一番おいしい餃子」というキャッチフレーズが誇らしげに書かれています。中国系の人が多いシンガポールで、一番とは大きく出たなあ。そういえばプランニングツアーの地元、福岡市内でもこんな光景を見かけたことがあります。
それは「地球上で2番目にうまい店」という看板を掲げる、「のんき屋」というラーメン店。うーん地球か・・・何もかもみな懐かしい。
  

それにしても地球上で2番目になる理由は何があるんでしょうか、1位じゃダメなんでしょうか?同店へのホットペッパー誌による取材によると、先代店主の「地球上で1番うまいものは愛情のこもった母の味ですけん、うちのラーメンは2番目です」という言葉がもとになっているそうです。なるほど、おふくろの味というわけですね、ちなみにこの「ラーメン」という文字が逆さになっている理由は、先代が亡くなった今となっては謎のままなのだとか。
 

話をシンガポールの京華小吃に戻します。さほど広くないタテ長の店内は大衆食堂という雰囲気、早速タイガービールを注文します。トラベル会の旅ではいつも席に着くなり「とにもかくにもビールビール!」となるので、愛読する推名誠氏の「怪しい探険隊」シリーズみたいです。さて、最初に出て来たのは、ほうれん草のオイスター炒め、こいつをつまみにビールを飲み、あらかじめバスの中で注文していた豚肉と搾菜のあえ麺をすすります。
 

次に野菜蒸し餃子、海鮮北京風ピザ、小籠包、海鮮焼き餃子などが続々と登場。麺はまあともかくとして、何もかもうまい!シンガポールで一番かどうかは知らんがうまい。「何もかもうまい」では食レポにもなりませんが、腹ペコだからしょうがありません。自分の胃の許容量を超えていることを実感しつつも、さらにあずき餡入りパンケーキや白玉だんごのデザートまで食って満腹満足の人となりました。


なお、われら一行はこの後チャイナタウンの散策を予定していたのですが、あまりにもひどい交通渋滞のためにこれを断念。バスを待つ間ヒマなので、近くにあった「日本の家」という店に入ってみました。入口はどこをどう見たって日本と呼ぶにはほど遠い風情ですが、店内は家電量販店と百円ショップが合体したような雰囲気です。この店でしばらく時間をつぶしていると、ようやくバスがやって来ました。この後は現地ホテル見学に出発かなと思ったら、バスはなぜか郊外にある倉庫のようなところに入っていきます。一体どこへ連れて行かれるのでしょう?
 

◇ これ、ぜ~んぶ天然素材なんですよ~! ◇

やってきたのはコマックス・シンガポールという、天然ラテックスが主原料の枕やマットレスを製造・販売している会社でした。シンガポールのほか、香港、バンコク、ホーチミンなどに拠点があります。何でもラテックスというのは東南アジアで栽培されているゴムの木の樹液から作られており、通気性や抗菌性に優れているのだそうです。さっそく営業の方によるプレゼンテーションが始まったのですが、これがまた先頃引退した某大手通販会社の前社長をほうふつとさせるような見事な話芸で、思わず聞き入ってしまいました。
 

「低反発枕ってありますよね、でもうちで作っているのは高反発枕です。ほら、こうして鉄アレイを落とすと跳ね返ってくるでしょう?」と、実演が入ります。高反発枕は弾力と柔軟性を合わせ持っているので、首や肩、腰などをしっかり支えてくれるのだとか。次に、枕をふとん圧縮袋みたいなものに入れ、掃除機で吸い始めました。すると枕はみるみる縮んでせんべいのようなぺったんこ状態に。「ほら、これならスーツケースに入れてもかさばりませんね、おみやげにも最適ですよ。今なら特別価格でご提供!」。


袋を開封して空気を入れてやれば、枕はたちまちもと通り。いや、正直欲しくなりました。実際3名ほどの方が、既に購入済み。とはいえ、今回の旅行ではわずかな持ち合わせしかないし、そもそも枕に一万円以上使うというのもなあ。「よし!カジノで勝ったら買いに来よう」、という決意のもと今回は店を後にしたのでした。



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